おもしろいもの発見したよ。軍事教練に使うのか?こんな車も止めてあった。もしかしてファントムとかイーグルもあるんですかね?(そんなものはありません。)

いくらなんでも広すぎ。延々と続く芝生。これなら戦闘機だって、不時着できそうですよ。(そんなことしません)そう言っていたら、上空でホバリングするヘリが!不時着する気か?

意外だったのが、飛行機の音が結構ひんぱんに聞こえるということ。礼拝堂の中にいても、ゴゴゴゴーとかなりの音で聞こる。空港が近いせいか、ひんぱんに、旅客機が上空を飛んでいるらしい。

どこのマナーハウスですか、ここは。ピーターグリーナウェイの映画にでてきそうな英国式庭園。

寮?校舎?

なぜかこの学校では、生徒のことをstudentといわずにboyと呼ぶ。その呼び方が生っぽくてワイセツ聞こえるのは、私の頭がおかしいからでしょうか?

壁の黒いダイヤ模様が格好いい。

カレッジの前の通り。

日本では見かけないけど、英国ではどこでも売っている土産物の定番といえば、シンブルとティータオルではないだろうか。手芸好きと紅茶好きにはコレクターが多い。ブルー&ホワイトが美しい。校内のお土産やさんにて。£3.5

これがファグだ。ガイドブックも販売されていた。校内以外に、ハイストリートにもイートングッズを扱っているお店があったよ。

Slough までは1駅。東急こどもの国のみたいな支線なのだ。

この季節のイギリスは午後9時ぐらいまで明るいよ。

これは翌日にいったオックスフォードのBodleian Library 見覚えがあるような気がするのは気のせい?

同じくオックスフォードのRadcliffe.
このあたりにある小道がそれっぽい感じ。

※追加・Bodleian Libraryはハリーポッターの映画の撮影で使われたそうです。見覚えがあるのは、どうやらそのためらしいです。
【Another Country】

私がイートンの名前を知ったのはごたぶんにもれず、映画「アナザーカントリー」なわけですよ。そこで最後にこの映画について少し。

これは、実在するイギリス最大のスパイ、ガイ・バーチェスをモデルに、実話を元にしているといわれる戯曲を映画化したもので、名門パブリックスクールの最高峰イートン校から、ケンブリッジのトリニティカレッジに進んだ超エリートが、何故国を裏切るようなことになったのかを、イートン校時代に遡って回想するというお話です。
ガイは、学校という狭く閉鎖的な世界の権力闘争に破れ、同性愛者という性癖を寮友に嘲られ、復讐心を燃やすわけですな。共産主義者の友人に感化された彼は、その後トリニティに進学し、キム・フィルビー、ドナルド・マクレーン、アントニー・ブラントらと出会い、よりアグレッシブな行動に出るようになります。そしてその才能とバックグラウンドを生かして、KGBに情報を送り、スパイ活動へと逸脱していくわけです。祖国を裏切る土壌となったイートンを舞台に、将来を約束された英国エリート達の裏の部分を描いた映画がこのアナザーカントリーです。
いがにもイギリスといった感じの、クリケット、ボート、燕尾服にシルクハット、白いカーデガンなどなど1930年代の上流階級の衣装が話題になりました。もっとも一番話題になったのは、美青年同士の恋愛でしたが。

この映画は、「マイビューティフル・ランドレッド」「モーリス」とともに、英国映画ブームを支えた1本と言われ、当時の妙齢の女子なら、みんな見ているじゃないかな。このころミニシアターブームがあって、映画好き女の子の大半は見ていたような記憶があります。

私の感想では、映画として見て一番面白いのは、「マイビューティフル・ランドレッド」かな?

「アナザーカントリー」は、“なぜエリートは祖国を裏切りスパイになったか?”という非常に興味深いテーマで、テーマだけでいったら、これがまさにストライクゾーン直球なのだけれど、いかんせん、一番肝心の、“なぜ、国を裏切るようなことになったか”の部分が盛り上がりに欠け、パンチ不足。
だいたいにおいて、この映画は、映像の美しさが話題になるわりに、画像の処理が悪く、画面がゆらゆら揺れていて、見ていて頭がクラクラして酔っていかん。おまけに字幕の焼付けが不味く、非常に読みにくい。さらにセリフも聞き取りにくいし、訳も「幹事」は「監督生」にしたほうが、日本人にはわかりやすかったんじゃないかなと、訳も不親切。

終始静かな映画で、劇的に盛り上がるというような場面がないので、ぼんやり見ていると、なんでガイが共産主義に傾倒していったのかわからないまま終わります。特にホモ映画〜と、予備知識なしで、ヨコシマな動機で見ると、ディテイルを丁寧に積み上げていって、解かりやすく伝えてくれる作りではないので、え?これで終わり??となります。
私も最初に見たときは、なんで、幹事になれないと、スパイになるんだ?なんで、学生のくせに軍事教練をやってるんだ?イギリスのエリートは考えることがわかんねーなと思ったものです。その後、イギリス2重スパイの話を知って、原作の戯曲を読んで、背景もわかると、そういう話だったのか!と理解できるようになりましたが。

映画のほうは、同性愛部分が話題になりがちですが、この話は徹頭徹尾、権力闘争のお話です。エリート達の権力闘争。映画のほうは美形俳優に目を奪われて、本筋を見失いそうになりますが、原作を読むと頭が冷えてそれが実感できます。原書は高校の英語で使いそうなサイドリーダーみたいな本が出ていました。翻訳は、出ていないのか、本を見かけたことありませんが、昔JUNEで和訳や特集が組まれていました。原作を知るには、これが役に立つのではないかと思います。

おまけ知識としては、ガイ・バーチェスは同性愛者ですが、共にスパイ活動を行ったアントニー・ブラントらも同性愛者で、一時期ガイとは恋人関係にありました。
まあ、この学校で学んだケインズもホモで、歴史学者リットン・ストレイチーと恋人を取り合ったていたし、テニスンもイートン校時代の友人が死んだときに、恋人に捧げるような詩を盛大に贈っていたし、オスカー・ワイルドが男色罪で逮捕された際に、「もしワイルドを同じ罪を犯した者は一人残らず投獄されねばならないとしたら、イートン、ハーロウ、ラグビー、ウィンチェスターなど、一流の私立中学校の生徒は牢獄へ大移動することになるであろう」とという、評論があったぐらいなので、当時禁忌とされていた男色に手を染めていた人は、それなりの割合でいたんでしょうね。喜べ同人女!
同性愛に極めて寛大な日本と違って、当時のイギリスは道義的にも法律的にも、男色は犯罪だったわけですよ。
そういえば映画でガイを演じたルパート・エベレットものちに自分がゲイだとカミングアウトしてましたっけ。いい時代になったな。

そして「モーリス」のほうは、これはもうキングス・カレッジの美しい風景と、キングス・カレッジ合唱団の美しい歌声をお楽しみくださいという映画です。

ところでアナザーカントリーの実際の撮影は、撮影許可が下りずに、イートンで行われなかったそうです。聞くところによると、オックスフォードで行われたとか。この翌日、オックスフォードにいったけど、私が回って撮影現場らしいとと感じたところは、Bodleian Libraryかな。ここの中庭が、なん慨視感があって全員で合唱をやった場面に似ているような気がしました。
作中で、ホルストの組曲「惑星」の「木星」を合唱するシーンがあるのだけれど、ここがそうじゃないかなぁ、今手元に映像がないので確認が出来ないけど。
私はこの映画のおかげで、「木星」の曲を聞くと、ついつい「アナザーカントリー」を思い出しちゃうんだよね。
そして、惑星の話がでると、聞かれてもいないのに、好きなセーラー戦士の名前を挙げたり、木星の話がでると、聞かれてもいないのに好きなガンダムシリーズを挙げる人のは、オタクの人の特徴だと思います。

ところで、ちょっとややこしいけど、映画「炎のランナー」はケンブリッジのトリニティ・カレッジのお話なのに、なぜか撮影はこのイートンで行われています。
「炎のランナー」は、撮影出来ておいて、「アナザーカントリー」は、何故で撮影許可下りなかったんだろ?撮影許可がおりない理由があったんだろうか。やっぱ自分ところの卒業生に売国奴が出たのは、恥なんでしょうかね?裏側の汚い部分に触れた話なんで、学校側としては、まずかったのでしょうか。

そうそう、スパイで思い出したけど、ジェームズ・ボンドの生みの親、イワン・フレミングもイートンの卒業生。フレミングも英国情報部員の経歴あり、ガイ・バーチェスとは、年が2つ3つしか違わないので、カレッジ内では顔ぐらいは見知っていた仲だったかもしれないね。



back