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ワシにも言わせろ スクライドアフター2 桐生水守
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スクライドアフター2 桐生水守さんの感想。 真剣な感想は別棟にあるのでそちらを参照にされたし。(別棟にあるもののほうが真剣) ●引用・『スクライド アフター2』兵頭一歩著 電撃文庫より >医学の心得のある同居人、桐生水守の定期診断によって明らかになった。 いったいみのりさんの専門はなんなんだ。科学者っていっていたけど専門は何? 年若い人がその才能を発揮できる分野というと物理や数学ってのが相場だと思うが。 みのりさんの場合は生物学? 23話をみていると工学の知識もあるっぽい気もするが、ハッキングの腕からして工学部生物工学というのは苦しいし。 理工学部生物学科とか理学部生物学科あたり? 医学は専門ではないらしいが、そんな人物がどうやって妊娠診断したんだろ? 橘社長の家に超音波エコーがあるとも思えないし、キャミィが基礎体温つけているとも思えないし。どうやって診断を下したのかとにかく謎。 指診だけじゃ妊娠の判定は難しくないか? もしかして水守さんって内診も出来るのか? 内診がわからない人は婦人科へ行って、内診台の上に登ってきてください。 >この復興地区において医療的処置を行えるのは水守ただ一人だった。 みのりさんの科学者という設定は、橘社長の本名が忘れられたのと同様、完璧に忘れられてしまったらしい。 思うにこの人、最初っから医者という設定にしたほうがよかったんじゃないか。 ホーリーにやってきたのも医療の実地研修ということで。 アルター使いもインナーも同じ人であることに変わりはない、人は人を助けるものよと、虐げられた人を救いたいという思想をもった医者の卵ということにして。 そうすれば、強引に医療班に割り込んだのも納得がつくし。 今のままだと、何しに医療班に帯同したかわからん。 困っている人を救ってあげたいといっていたと思えば、本部に呼び戻されてあっさりと引き上げて帰ってくるし。 もう再開発地区の人のことはいいの?助けたいんじゃなかったの? あれでは本来の役目をほっぽいて、自己満足なボランティア程度の心意気でちょっと参加してみました〜、あるいは劉鳳へのあてつけで参加してみました〜としかみえん。 医者だったら、最後ロストグラウンドに残るのもそれなりの理由になったしな。 年齢的にちと厳しいが、こっちのほうがまだ整合性がとれていたように思う。 7年もスキップした科学者が子供に分数教えて専門外の医療に携わってってのは、足ひっぱる設定にしかならん。 >本土の組織を調べるのであれば、私の経歴が役に立つはずです。(水守の台詞) 馬鹿者。調査ならイーリャンだろう。イーリャンを呼べ。 >昔はいわゆるお嬢様育ちだった自分を周囲に認めさせるため、虚勢をはって極端な行動に出ることが多かった。 虚勢を張るというより、自分が正しいと信じこんで、それを信じて疑わないものだから周囲を省みず自らを反省することもなく極端な行動に突っ走っていたように思う。まわりの人が自分のとこをどう見ているか、自分がどのように見られているか、自分が他人からどう見られたいか、そんなことはこの人の眼中に無かったのではないか。他人からの評価にはおよそ無頓着だったように思える。(それはおそらく、彼女が非常に満ち足りた環境で育ったことに由縁するのだろう)そればかりか、目の前の現実をけっして認めず、他者の介在しない世界に住んでいる印象すら与える。 彼女が現実と向き合うのはクーガーといるときぐらいだろう。だからクーガーといっしょにいるときの彼女は魅力的に映り、そして現実を見ようとしない彼女はクーガーを無意識に冷たく当たるのだ。 >結局起してしまった行動に責任がとれず、他人に助けてもらうようなことが多かった。 兵頭さんはうちのサイトにいらしたことがあるんかいな。へっぽこ実験サイトにようこそです。 >何よりも、自分の力のほどを客観的に判断できる冷静さを得ることが出来たと思う。 ふむふむ、どのぐらい成長したか、お手並み拝見といこうじゃない。(イザーク@ガンダムSEED) >あすかへの進言はけして的外れでない自信が水守にはあった。 みのりさんの不幸は、自分が正しいと信じこんでいるのを、周りの人間がそうと誰も指摘しないところにあるように思われる。 間違っているところや直したほうがいいところを、注意してくれる人は彼女の周りにはいない。 普通こういった人物には「貴方、いい加減にしなさいッ!」と頬をピシャりと殴る人がいて、それで「ハッ!」となって目が覚めて自己を見つめ直し成長したりするものだが、(そして2人は仲良くなる)彼女の周りには気の毒なことにそういった人がいない。 いっぺんリヴァイアス号あたりに乗って、ユイリィに叩かれてくるといいと思う。 >反対する理由といえば、水守が心配だから、というものしかない。信用していないわけではないが、相手は本土の介入部隊。どんな手をこうじてくるかもわからないのだ。(橘のモノローグ) 桐生水守ひとり対本土の介入部隊 どう考えても最初っから勝ち目はないでござるよ。 食い物にされるのがオチでござるよ。ニンニン。 >アルター能力者の自分が行くより、本土生まれで、アルターを持たない水守の方が警戒心を与えずに済むのか…?(橘のモノローグ) 桐生水守という段階で警戒心与えまくりだにょ。ダメだにょ。 >「けれど、近くまでは人を連れて行って下さい。一人きりではあまりに危険です。」(橘の台詞) よし、瓜核の出番だね! >「複数人で出向いていっては、それが薄らいでしまうかもしれません。…好きにさせてくれませんか?」(水守の台詞) ガーン、瓜核は出ないのか。 一人きりではあまりに危険の゜危険゜は、なにも水守さん一人の身の危険を心配しているのではなく、アンタ一人じゃ街が危険なんだよ!という橘社長の本音が混じっていることに、みのりさんは気がつかなかったようである。 >サイロウは「まるで少女マンガだ」と笑った。見事にまでに波乱に富んでいる。 出た!少女マンガ発言。みのりさんの゜昔の少女漫画もびっくり゜というのはどの辺を指してそういうのだろう? 頭脳明晰で容姿端麗、波瀾に富んだお嬢様ということだろうか?思いつくものをいくつかあげてみると…。 オスカル・フランソワ(ベルサイユのばら) 激動のフランスを生きぬいた男装の麗人 一の宮 蕗子(おにいさまへ・・・) 気高さを失わない学園の女王 北小路環(はいからさんが通る) 時代にあらがう華族の姫さま 竜崎麗華(エースをねらえ) 信念と気品あふれるコートに舞う蝶 姫川亜弓(ガラスの仮面) 紅天女へかける努力と根性のサラブレット 叶万里子(ヨコハマ物語) 新しい時代の幕引きを担う女性 北城尚子(生徒諸君) 庶民派お嬢様の代表 白鹿野梨子(有閑倶楽部) 正統派大和撫子 キャロル・リード(王家の紋章 ) トラブルメーカー大富豪のご令嬢 アンジェリク(アンジェリク) 波瀾な人生では向かうところ敵なし なんとなく桐生水守をここに並べるのは、他のお嬢様方に申し訳ないような気がする…。 >室内の隅に、自分が着ていた衣服が畳んで置いてあるのが見えた。 兵頭さんのお人柄が垣間見れる箇所。いい人だな、兵頭さんって。 >彼女の無思慮もここに極まった感があるね。(サイロウの台詞) うむ。いまサイロウがいいことを言った。 >あすかは自分を責めることはしない。 相変わらず桐生水守に責任を追及する人は彼女のまわりにはいないようである。 なぜ橘社長はみのりさんを叱責することをしないのだろうか? 1.言わんこっちゃない、こんな人に任せた自分が馬鹿だったと、さっさと次の指示に取りかかった。 2.何となく橘の中で、(劉鳳と)水守さんの世話をするのが自分の役割のような思いが知らず知らずのうちに育っていった。「…最近、あの二人を守るのが僕の務めような気がするんだ。不思議だよね、あんなに強い劉鳳や水守さんを僕が守ってあげなきゃいけないなんて。おかしいと思うかい、キャミィ?」(妄想劇場) >本当の力が欲しいと思った…。(水守の台詞) みのりさんはみのりさんなりの力があると思うよ。あんまり欲張ると欲張りって言われるよ。 >アルターが欲しいとさえ思ったのよ。(水守の台詞) 欲張り。 >私は…あなたの枷になりたくないの…(水守の台詞) >違う…。水守、全然違っている…。君は…、君は俺の標だったんだ。(劉鳳の台詞) 思うに劉鳳さんを縛っているはシェリスでもなくみのりさんでもなく、制服じゃなかろうか。 制服に自らの信念封じ込め、21話で袖を通したあの時から、劉鳳さんは制服に囚われ死ぬまで闘いつづけなきゃいけなくなったのだ。そしてその制服はみのりさんの手により渡されたのである。 劉鳳を背負っているものから開放させるには、鎌で胴体ごと制服をちょん切ってしまうしか道はないのであった…『青い制服@本当は残酷なスクライド童話』 >自分の力は、自分が使う。使い方を考えるのも自分だし、その結果を受け入れるのも自分だ 責任がとれるのなら、自分勝手でいい。(橘のモノローグ) おお、橘社長はうちのサイトにいらしたことがあるらしい。掲示板に書きこみ待っているぜ。 >キャミィは女児を出産した この出産にみのりさんは立ち会ったのかいな? それとも留守でご近所のおばちゃんが付き添ったのかな? 個人的にはみのりさんが破水した羊水をひっかぶりながら出産に立ち会うのがいいな。で、用もないのに劉鳳も引っ付いてきて、橘社長と男ふたりして廊下で騒いでいるところを、水守さんに「二人とも静かにして下さい。それより早くお湯を沸かしてきて下さい」と注意されるの。で年少者のかなみちゃんが一番冷静でさ、たらいに湯を沸かすの。そんなんだと面白いんだけどな。(しまった、また妄想しちゃったよ) >翼を背負っていた左半身もすでに自分の意思で動かすことは出来なくなってしまった。 劉鳳はマニュアル車の運転が出来なくなってしまったようである。 >劉鳳の半身も死んだのだ ジャジャーン!シェリスが命かけて蘇生させた劉鳳の肢体をみのりさん、命かけて奪う。 >水守は以前にも増して自分の生を意識するようになった この人は劉鳳の半身を奪うことになってしまったことについて、どう思っているのだろう? 自分の生に対する記述はあっても劉鳳の生に対する記述がみられないが、そこのところどうなんざんしょ。 自分は5体満足で生還したのに、愛する人はそうではない、目の前にあるこの揺るぎがたい事実をどう受けとめているのだろう。 自分のわがままがもとで結果的に愛する人の体の自由を奪うこととなった。悔やんでも悔やみきれないのが普通の感覚だと思うのだが。 劉鳳はシェリスが死んだとき、自分を責めて責めて責め続けていましたが、みのりさんはどうですか? 動かない劉鳳の半身と動く自分の半身見て何を思いましたか? そういやみのりさんは血を吐いて倒れてた人を目の前にしても、私はあの時あれが正しいと思ったのと言い切ったことがあったっけな。 現実に自分の行動がもとで負傷者が出たのにもかかわらず、その本人を目の前にして自分は正しいなんてよく言切れるものだ。目見えてるでしょ。そこに負傷者横たわっているのが見えるでしょ。なのに私は間違っていたのかもしれないってこれっぽっちも思ったりしない?すみません、悪かった、もうしませんって謝ったりしない? この人、リヴァイアス号に乗っていたら、自分が仕出かした無思慮な行動がもとで死人が出ても、死体を目の前にして「私はあのときあれが正しいと思ったの」って言い出しそうだ。 もっともそんなことになる前にユイリィがその横っ面を引っ叩いていると思うがな。 自分が正しいと信じ込んで目の前に置かれた現実を頑なに認めようとしなかった桐生水守は、この現実をどう受けとめているのだろう。 >自分以外に医療の心得がある者が皆無に等しい復興地区を離れてしまったのは、確かに今でも後悔があった。 みのりさんの役割はやはり医者らしい。 >劉鳳に代わって装甲車のハンドルを握る水守は、前方に広がる海沿いの景色を眺めた。 運転手の役割も加わった。マルチに活躍するみのりさん。 >私は我がままに生きてゆきます。世界に迷惑かけながら。(水守モノローグ) 我がままに生きていくのはかまわんが、人に迷惑をかけるのはやめよう。 我がままで自分が半身不随になるのはいいが、他人を半身不随にさせるのはヤメテケレ。 水守さんが無思慮なのはなにも今回に限ったことではなく、多くの人が指摘するように、アニメ内でも無思慮な言動を繰り返していたように思われる。 しかしアニメ本編においては、クーガーなり橘なり劉鳳なり瓜核なりイーリャンなり、いつも誰かしらの援助が介入したので、自分が仕出かした無思慮な行動がもとで、自分自身が手痛い目にあうことはこれといってなかった。 身の危険が降りかかる度に他者の力が介入し、彼女は傷つくことから養護されていたわけである。 おそらく彼らの介入がなかったら、作中桐生水守は負傷あるいは死亡していた危険が高い。 常に養護され続け、本人は自己を反省する様子もなければ疑念に囚われる様子もなく、助けられることがさも当たり前のような振るまいと印象を与え、また次の行動に移る。 作中、彼女にその事実を指摘し、非難酷評する人物は登場しない。 このような条件が重なり、視聴者は彼女に対し、激しいフラストレーションを感じるようになる。 作中人物から不可解な部分を指摘されない人物というのは、視聴者は作中人物に成り代わって激しく列挙し攻撃を与えるものである。 桐生水守が多くの人の議論の対象になったのはそのためであろう。 アニメも中にもサイロウのような人物が登場し、彼女に痛烈な戒めの言葉を投げつけるような場面があれば、視聴者の釈然としない思いも、不満感もだいぶ和らいだと思うが。 今回は単独行動ということで、これまでとは違って途中他者からの援護が入らなかった。 そのおかげで彼女ははじめてといっていいくらい、自分の言動が元で深い傷を負ったわけだが、終わった後で振りかえってみると、やっている行為そのものは以前とさしたる変わりがないように感じる。 そして援助が全くなかったかというとそんなことはなく、最後の最後で今回も他者の力が介入してきているわけである。 責任がとれるのなら、自分勝手でいいという橘の言葉と私は我がままに生きてゆきます。世界に迷惑かけながらの水守さんの言葉のニュアンスは異なる。 わがままのツケは自分で払っているから、スクライドの人達はわがままをしても許されるのである。 他者に迷惑をかけ、なおかつそれを声高に肯定するのは、再び人々の反感を呼びこむ要因となる恐れがあるので、口にせぬほうが賢明であろう。 桐生水守という人は視聴者にストーリーをわかりやすく紹介するため、都合よく使われたキャラクターという印象が強い。 はっきり言ってしまうと、ストーリーを動かすための手駒といったほうがぴったりする。 桐生水守という駒を動かして、視聴者にわかりやすく時事を紹介し、ストーリーを展開していく。彼女の役割はそれであってヒロインではない。 桐生水守が登場することによって、ロストグラウンドの特異性、アルター使いと常人の違い、7年前と現在の劉鳳の違い、ホーリーという組織、それらを視聴者に解りやすく紹介していく。 カズマと劉鳳の敵対する関係を築き上げるため、カズマを脱走させる。 二人の対立を深めるため、医療班に帯同し、橘を護衛につける展開にもっていく。 二人の誤解と敵愾心を深めるため、それなりの理由があったカズマ側の弁護も一切しない。 ホーリーの闇の部分を明らかにしていくため、ホーリーの危険な部分に足を踏み入れる。 本土と敵対していくさまを描くため、精製問題の真相はすぐには明らかにしない。 無常矜持がロストグランドにやってくる理由を与えるため、荒野側で行方不明になる。 劉鳳を闘いの場に送り出すため、制服を手渡す。 アルター精製問題、大隆起現象の原因、向こう側の扉の謎などの「謎解き」はスクライドテーマではないので、桐生水守は専門家であるにも関わらずそれに関して全く動かない。 ストーリーを思った方向に進めるため、その都度都合よく使われる…それゆえ、全篇通してみると言っていることとやっていることの矛盾が目立つのだろう。 スクライドという話は、桐生水守一人の犠牲の上に成り立っている話ではないかと私は思う。 |
03/06/26