スクライドビギンズ 06/02/19 スクライドビギンズ読みました。 立ち読みなのでうろおぼえです。 最初続編が出ると聞いた時は、 世界観だけ一緒で、登場人物一新の新しいお話と思ったのだけど、 さすがに30数ページじゃ、新しい話を書くのは無理なので、 登場人物は前と一緒。 出てくるのは、カズマ・クーガー・劉鳳・シェリス。 かなみちゃん・君島くん・橘・水守さん・箕条さんの姿はなし。 32ページの読みきりです。 時間軸はこれ、いつになるだろ? カズマがクーガーとつるんでいるころの話。 本土から、大使がやってくるので、 クーガーがロストグラウンドのために、物資援助をして欲しいと嘆願しにいく話。 これに、カズマもつきあって、二人は大使のもとにいくのだけど、 大使の前に到着すると、 ホーリー隊員の劉鳳とシェリスが現れて、 カズマはホーリー隊員のアルターにかけられてしまう・・・というのがおおまかなあらすじ。 内容はあいかわらずの馬鹿漫画で、なんというか、すげえ馬鹿。 馬鹿はスクライドにおける最高の褒め言葉ですが、今回も変わらずの馬鹿ぶり。 カズマのリアル厨臭い台詞も健在。厨が共感を呼びそうな台詞を今回も連発。 そして、例によってセルフパロディもいっぱい。 おねがい☆⇒おねがい☆ティーチャーとか、 新しいホーリー隊員の名前・羽海野千力⇒ハチミツクローバーとか、 本土の大使の森恒三⇒ホーリーランドなど 黒田氏が手がけた作品からのパロディがてんこ盛り。 他にもあるかもしれないけど、私がわかったのはこのぐらい。 たぶんほかにもなるんじゃないと思う。 あれ?リンかけはないんですかね? 車田と同じ雑誌なんで、やってくれるかと期待していたのですが。 さて、今回の話の主役はクーガーですが、 このクーガー、ちとアニメ寄りの設定になっているような気がしますな。 メディアミックス・コミカライズ作品って、 スタート時はそれぞれの独自の道を歩んで、 全然別者として進んでいくのだけど、 後から追加で製作されるようになると、 お互い影響を受け合って、 漫画やアニメ・小説といったいろんなメディアの境界線があいまいになり、 それぞれ独立した別作品というより、 双方の設定が入り混じり、 お互いが歩み寄るっていうわけじゃないけど、 お互いがお互いを保管し、双方の話が近づいてくる気がしますが、 これも、そんな感じっぽいですね クーガーがちょっとアニメのクーガーっぽくなっているような気がします。 この話の中で、クーガーは、援助物資を貰いたいために、跪いて頭を下げるのだけど、 こういうのが何年も経つと裏設定として、 ファンの中で定着したりすることがあるんだよね。 アニメと漫画は別モノのはずなのに、 いつの間にか、両者がクロスオーバーするようになって、 アニメ版のクーガーも、ホーリー入隊の動機が、 漫画にあったインナーに物資を供給させるため、というふうになったりすることになる。 そしていつしか、ファンの中では、 アニメのクーガーがホーリーに入った理由は、 インナーへの援助物資を増やすため、というのが定説となってしまったりする。 さらに、それがファンだけの間のものではなくなって、 今度は小説あたりで、、 別のライターさんが、その設定にのっとって、クーガーの過去話書いていたりして、 別の媒体でも定着していく。 そんでもって、最後は監督も、それを認める発言をしちゃって、 めでたく裏設定として就任。 なんてこともあるわけです。 複合媒体による展開というのは、そういう可能性があるわけで、 このへんがメディアミックスのおもしろいところですな。 それにしても、戸田センセの漫画見ていると思うのだけど、 谷口監督の書く女キャラは本当、ツマンナイですね。 これ、結構の人が言っているけれど、谷口監督の作る女、私もつまらないと思う。 特にスクライドはつまらん。 戸田センセの漫画は、そんなこと感じないんだけど、 谷口アニメのほうは、女がツマンネー!という感じなんだよね。 脚本が同じ人なのに、この差は、やっぱ監督の差ですかね? では、どのへんが駄目かっていうと、 男の都合のいい女しか出てこないところが駄目。 いかにも、男が考えました!という男にとって都合のよい女しかでてないところが駄目。 もっとさ、いかにも女性!これぞ女、女脳で考えています、女性の視点でもの述べています、 私は地図が読めません!私は女ですがなにか? っていう女が欲しいのだけどさ、 そういう人が、一人もいないのが、見ていて、カチンとくるんだよね。 具体的に言えば、 ラスト2話のカズマと劉鳳に突っ込みを入れれる女が一人もいないところが、どうにも駄目。 あの二人は、ラスト2話で、援助物資運んできた部隊を打ち落とすわけですが、 そういう蛮行(←このへんの見方がすでに私が女である証拠)をする二人に、 なんか言う女がいないのが、 私の思考と10万光年ぐらいの隔たりを感じて、 ついていけれないのですよ。 いや、あの二人はあれでいいのですよ。あの二人はあれでいい。 でも、それに一言言う女がいないのが、なんかなぁ・・・という感じです。 発言に女特有の狭義的なものが全然含まれていないんだよね。 この台詞絶対男が書いただろ?この話絶対男が描いただろ? という、感じがありありで、 思考・発想に女性の観点が存在しない。 たぶんあの二人のやっていることに、 突っ込みを入れている女性視聴者は大量にいると思うのですが、 作中には、そういう人は登場しない。 なぜか? 男に都合が悪いからですよ。 そういう人が出てきてもらっては、カズマと劉鳳に都合が悪いからですよ。 ポジション的には水守さんあたりが、 「劉鳳、あなたはたしかに強い人よ。でも、世の中には、そうでない人も大勢いるの。 世の中は、あなたのように強い人ばかりではないのよ。 あなたが沈めたあの船、あれ一つで、 どれだけの人が助かるか、あなたは考えてみたことがあって? 薬が足りないの、食料が足りないの。苦しんでいる人が大勢いるの」 あたりの突っ込みを、一言入れてくれると、いいんですけどね。 でも、水守さんは、製作側(男)の都合のいいように、作られたキャラですので、 そういう製作側(男)を困らすような言動にはでません。 スクライドのテーマは、独立自治の話でも、大隆起現象の発生は何なのか?という謎ときもないので、 たとえ、水守さんが、本土要人の娘で、科学者であっても、 テーマと関係ないことを行動することはゆるされないわけです。 彼女の役割は、 本土からやってきた常人ということで、 アルター使いと一般の人の違いを視聴者に紹介し、 ロストグラウンドという場所の特異性を明らかにし、 7年前の劉鳳と現在の劉鳳の変化をしらしめ、 劉鳳とカズマの対立を深めるように行動し、 無常が本土からやってくることの理由づけする、 というふうに、話を展開する上で、都合よく動くことしか許されないのです。 私が思うには、あの二人に突っ込みを入れて、 返答に窮する状態を作れる女が一人もいないのが、 スクライドの女が男の都合のいいように、出来ていると感じるゆえんであります。 切り替えしをして、男のわがままをやりくるめる女がいないんだよね。 全員容認。このへんが都合がよすぎ。 いつの時代も男のわがままに泣かされるのは女ですが、 それを指摘する女が存在しないあたりが、 スクライドの特徴なんだよね。 やっぱりさ、私としては、 最終回のカズマと劉鳳のボコり合い見て、 「男って、どうしてこう馬鹿なのかしら?」とか、 「男同士っていいわね」とか、 「いつの時代も負債を背負わされるのは女よ・・・」とか、 「男の人はいいわね、暢気で」 っていう台詞を言える女が欲しいわけですが、 そういった女がスクライドには皆無なあたりが、 谷口監督は評価はしても、好きになれない理由であります。 キャミィあがりが、ヤレヤレというポーズをしながら、 こういう台詞をいってくれるだけで、だいぶ違ってくるんだけどね。 最後ボコり合いでぶっ倒れた二人に、 「全くこの忙しいのに、いつまでこんなところで、のんきに遊んでいるの!さッ、帰るわよ」 と二人を引きずって帰れるぐらいの女キャラが、ほしいんですけどね。 実際にやらなくてもいいので、そういうことをいいそうな女がいるといいなと思うわけですよ。 もっとも、これは私の趣味であって、作品の評価となるとまた別なのですが。 戸田センセの漫画は、 水守さんも男前で格好いいし、 箕条さんも女らしくて素敵だし、 シェリスも健気で可愛いし、 かなみちゃんも、ちっちゃくて一所懸命で愛らしいし、 アニメのほうが、うーん・・・な私も、戸田っちの書くスクライド女キャラは 見ていて、嫌な感じはしないですな。 能力的には差はあっても、立場的に差がないってところが、いいんだろうな。 そう思うだろ?アンタも。え?思わない? |