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右がビクトリア駅、左の大きな建物がグリーンライン・コーチステーション。この中入ってすぐが乗り場。
バスを降りると目の前はもうウィンザー城。まわりにはいかにも観光地といった風情の土産屋が立ち並ぶ。ウィンザー城っていったらこれだよね。
もっとも、私は赤服の衛兵より、コンバットスーツの兵隊のほうが好みですが、そんな私の趣味などはどうでもいいことです。
ウインザー城からもイートン校は見えるよ。ハァハァ。
ウィンザー城からイートン校までは1本道。坂を下って橋を渡る。学校はこの橋の向こう。河には、いかにも観光地らしく遊覧船やらボートやらが暢気に浮かんでいる。
橋を渡ると、こんどはアンティークショップが。イートン校の制服を着たティディベアもいたよ。
イートン校の制服を扱っているお店。
まあまあ、どうしましょう!有名な白いネクタイに燕尾服の制服ですわ。
ショーウィンドーもお洒落でございます。
柳の木がしゅろしゅろ風に揺れる小橋を渡ると、突然風景が変わった!柳の向こうにそこだけ時間が停止したような古い建物群が姿を現したぞ。
はい、各自読んでおいてください。
【イートンへの道】
イギリスでうまいものを食べたければ、朝食を3度食べろというのは、サマセット・モームの有名な言葉ですが、このモームが英国諜報部員で、同性愛者だったのも、また有名な事実であります。
いってきましたよ、イートン校ことイートン・カレッジ。
トヨタが英国パブリックスクールの名門イートン校を手本にして、全寮制の私立の中高一貫男子校を作るという話を聞いたときには、なんだそのBL小説の設定みたいな学校はと、大笑いしていたのだが、本当にトヨタは創ってしまい、来年度開校で生徒募集を始めてしまいました。おいおいおい、いったい誰がそんな学校に行くというのか。私はその学校に入れる親御さんの顔がみたい。何が悲しくて、男ばっかりで、田舎の山の中にある寮に閉じこもらなければならないというのか。そんなところに入れるなら、やっぱ、麻布とか、灘とかのほうに入れたほうがいいに決まっているじゃん。これはトヨタが放ったギャクですか。日本の教育に馴染んでいない寄宿制を金にものを言わせて開校するという豪挙に、西洋文化を形ばかり取り入れようと、猿真似した鹿鳴館を思い出し、プププと笑うのでした。
しかし、そんな風に小馬鹿にしつつも、日頃日本男子が軟弱なのは、寮生活と軍事教練がないからだと、口には出さねども、心の中で思っている自分は、寮制に賛同するところも多く、男の子は親元から離して、寄宿舎学校で育てたいナァと思っていたりもするのでした。
まあ、現実には、子供には頼むから家から通える国立大学に通ってくれ、東京の私立は金が掛かってかなわん、と口をすっぱくして言っている庶民風情の私には、高額の学費が掛かる私立の寮なんて、無縁な世界ですけれどね。それに、そもそも寮と軍事教練のある学校なんて、今日の日本にないじゃん。あるとしたら、防衛大ぐらいですか?防衛大?・・・ソレだ!防衛大なら金はかからんし、逆に金をもらえるし、制服はあるし、そうだよ、自分の子供は、防衛大に行ってパイロットにさせるっていうのはどうだ?レッツ防衛大!君も未来の幹部だと、婦人団体の人が聞いたら、あなたそこに座りなさいと、小一時間説教されそうなことを考えるのですが、私にはそんな子供など、はなからいないでした。ガックシ。そんないもしない子供の教育を考えているうちに、ああ本家のイートン校を見てみたい、イートン校に行ってみたい、イートニアンに会いたいと、イートン校に対する憧れが、膨らんでいったのです。
イートニアンに会いたい。
そうして、翌日にはバージンアトランティック航空のロンドン直行便の手配を済ませているのでした。
私は大のツアー嫌いなため、すべてバラバラに自分で手配するので、割高で高くついてしまうのですが、その経済的不利益を押しても、行きたい時に、行きたい所に行けるフリーの魅力は大きい。たとえ安かろうが、行きたくもない土産物屋に寄らされたり、処分に困る必要のないプレゼントを押し付けられたり、(うちの町内はゴミの分別がうるさいんだ)食べたくないときに食べたくもないものを、食べさせられるツアーなんぞは、ご免こうむりたいものです。
必要なときに必要なものを必要最低限に!
ジャストインタイム、ミニマムニート、余剰在庫ゼロ
、 これが当家の家庭経済の基本理念なのであります。
この
トヨタの経営基本
にもなっている ジャストインタイム を指標にしているおかげで、私の家では安いからといって大量の食材を買い込み、冷蔵庫に入りきらなぁった挙句に、腐らせて捨ててしまうというような失敗はありません。おかげでいつ開けても冷蔵庫は、からっぽです。何か作ろうとしても材料が足りません。今日も早速足りないので、早いとここれ書き上げて、メシの時間になる前に買い物に行かねばなりません。(それは単に計画性がないと言うんじゃ・・・)
こうして、「お席は窓際がよろしいですか?通路側がよろしいですか?」というバージンアトランティックのお姉さん質問に対し、「エルロンの見える席でお願いしますッ」と力いっぱいとんちんかんな答えを返し、ドケチ会計士ジェイムズ君のようにカシオ一発片手にANAのマイル計算をし、空路図を握り締め、
V1! VR! V2!
Positive
Gear up!!
・・・Take off!とヒースローまで12時間の空の旅に出発するのでした。アイシャル・リターン。(途中から創作入っています)
あいかわらず、前ふりが長いです。
【アクセス】
イートンは、ロンドンから鉄道で40分、バスで1時間の距離。
近くには、ウィンザー城もあって、ロンドンから日帰りで観光するのはちょうどいい位置にある。ガイドブックでは、たいていウィンザーとイートン校をセットにして解説あり、学校のくせに観光名所の一つになっていたりする。
私はバスで行ったのだけど、バスで行くには、ビクトリア駅前にあるグリーライン・コーチステーションから、グリーンライン・コーチのBlcknell行き(700番・701番・702番)のコーチと呼ばれる長距離バスに乗り、Windorで下車。そこから歩いて15分ぐらい。
グリーライン・コーチステーションは、お隣にあるビクトリア・コーチステーションとともに、イギリス各地に向けて、ひっきりなしにコーチが出入りしている巨大バスターミナル。乗り場も大量にあって広いが、700番・701番・702番の乗り場は、最もビクトリア駅よりにあった。
チケットは、バスのドライバーから直接買える。なので、わざわざ、乗車券売り場に足を運ぶ必要はない。
1時間に1本と少ないので、事前にGreen LineのHPで時刻表確認しておくのが賢い。私はプリントアウトして持っていった。また、私が試した限りでは日本からのオンライン予約は出来ないようだった。
料金はなぜか、片道も往復もほとんど同じなので、往復で買ったほうが得。というわけで私も往復で買ったけれど、帰りはバスが満員で乗れず、鉄道で帰ったので無駄になって結局損をした。
コーチは全席指定で、座席分しか乗せてくれないので、定員になると締め切られるらしい。立ち乗りは禁止されているので、立っての乗車は出来ない。まあ観光客が帰る時間というものは集中するものだし、行きと違って、帰りは始発ではないので、観光シーズンにはそういうこともあるだろう。次のバスを1時間も待っていられないので、帰りは鉄道を利用した。
鉄道を使っての帰路は、ウィンザー城の真ん前にあるウィンザー&イートンセントラル駅という、中華街とつけようか、元町とつけようかでさんざん揉めて、結局「元町中華街」と名づけたみなとみらい線のような駅名の駅から、Slough駅まで出る。そこでパディントン行きに乗換え。ビクトリア女王と同等に張り合えるイートンってすごいなと思っているうちに、あっという間にパディントンに到着。鉄道ほうが本数も多いし、座席や帰りの時間を気にする必要がないので、こちらのほうが便利ではないかと思った。
と、旅行記気取りで無駄に丁寧に説明してみました。私って親切。
【Windor&Eton】
ウィンザーを降りると目の前はもうウィンザー城。駅の周りは、いかにも観光地らしく、土産物やと観光客がいっぱい。イートンは、テムズ河をはさんで、この対岸にある。お城の坂をくだって、可愛い橋をわたれば、あとは1本道。迷いようがない。これで迷ったら馬鹿。橋のまわりは、ボートやら遊覧船が浮かんで、白鳥はどこから沸いたかわからないぐらいたくさんおり、優雅な姿のその裏で熾烈なエサ取り競争をしている。その辺がイートンの生徒を連想させておもしろい。お洒落なレストランもあってなんか楽しそう。イートンのボートハウスもこの辺にあるらしい。橋を渡ると、今度はアンティークショップ立ち並んだ静かな通りになる。
たかが学校一つ見るためにわざわざ日本から行くか?と思ったりもしたのだけれど、ウィンザー城は展示物がわんさとあるし、テムズ川は川遊びができるし、洒落たレストランやCAFEで休憩もできるし、アンティークショップでショッピングもできるしで、予想外に目的地に着くまでに、見るものがいっぱいあったよ。もっと時間をかけて街探検をしたかったなぁと思ったぐらい。橋のほとりにイートンのボートハウスがあるので、それもよくみたかった。埃をかぶった少女趣味の人なら、楽しい街ではないかと思う。
そうしてしばらくいくと、典雅に柳が揺れる小橋あって、この柳の向こうに、突然、時間が停止したかのような古い建物が現れるんだ。
うわぁ、綺麗!
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