ヘンリーなんとか世がお建てになったそうです。

ヘンリーなんとか世は、ここの他にケンブリッジのキングスカレッジも設立したそうです。いわれてみれば、礼拝堂が、キングスカレッジのチャペルとそっくりだ。

なかよし。和むでしょ。

礼拝堂の中も見学出来ます。万年筆みたいな形をしたパイプオルガンが美しい。

このステンドグラスは戦争中爆撃で破壊されたとバーソロニューばあさんが説明してくれました。

中庭。芝生がきっちり手入れされていて、しましま模様になっていた。

回廊。


同じく。

文字を彫った跡がいっぱい。

気になる先はいつも進入禁止。この先が気になるんだよなぁ。
ここも入れない。と思ったら、ガイドツアーだと入れてくれるよ。中に爆撃の跡と、教室がある。
机。書いてないところがないぐらい落書きした跡がいっぱい。
この制服が格好いいんだよね。
このイートニアン青年はベンツのオープンカーに乗ってさっそうと帰っていった。トヨタに乗れ、トヨタに。
【Eton College】

さて、イートン校といえば、ハロウ校と並ぶパブリックスクールの名門中の名門。
たぶん世界で最も名の知れたパブリックスクールっていったら、ここじゃないかな。
名門だけあって、卒業生に著名人がいっぱい。
小説家ジョージ・オーウェル、詩人シェリー、経済学者ケインズ、俳優ジェレミー・ブレット、チャーチル首相、ウエリントン提督・・・あげたらきりがない。ダイアナさんちの子供もここの卒業生。各国の王子も多数在籍し、歴代首相も18人出たっていうから凄い。卒業生の大半がケンブリッジ・オックスフォードに進むというまさにエリート養成学校の頂点。
日本の開成や麻布と違うのは、勉強の水準がどこよりも高いのではなくて、王室・上流階級の子弟が多く、上流階級のネットワークに欠かせないという意味での名門校というところかな。
この辺がイギリスの教育制度の複雑さを物語っているよね。

こんなものをトヨタを真似しようとしているのだけど、名古屋の田舎の学校がそんなもの作れんのか?って気がしてくるよね。日本で名門といったら一般に東大合格者数を競う進学校を差すのだけれど、それとは、違う意味での名門校なんて作れるのか?
まあ、私は現在の日本の教育に欠けているのは、リーダーを育てる教育だと思っているので、時代をになうリーダーを育成しようとするトヨタ校は高く評価したいと思います。リーダーというとすぐエリート教育だと批判する人がいるけれど、リーダーとエリートは違うのだ。リーダーはリーダー、エリートはエリート。そしてトヨタ校が作るのはどっちなんだろう?

と、こんな学校だけど、下々の者にも開放されていて、一般庶民も見学できる。料金と時間はEton CollegeのHPで確認してね。
ついでにこのHPはすごい気合が入っていて、こんなに個人写真流しちゃっていいの?というぐらい個人フォトてんこもりで、見ているだけで、ハァハァなっていろいろ楽しいです。ウフフ。

さて、校内に入ってみると、数日前から夏休みに入ったということで、残念ながら、学生の姿はなし。ガーン、ここまできて、イートニアンにあえないのか。お前ら夏休み入るの早すぎ。なんで私が来るまでまっていてくれなかったんだよぉと、壁をガンガンたたきたくなるが、表面はつとめてにこやかに、本日のガイドツアーを申し込んで、校内を案内してもらうことした。

ビクトリア時代の化石みたいなえらく腰の曲がった品の良いばあさんが、校内を説明しながら、案内してくれたよ。
このばあさんは、フィリッパ・ピアスの「トムは真夜中の庭で」に出てきそうなおばあさんだったので、バーソロミューばあさんと名づけてやった。
バーソロミューばあさんは中庭や回廊、礼拝堂、教室、博物館など、ほんのさわりを案内してくれた。当然私が見たいと思うような内部には入れてくれない。ばあさんは夢見る少女のようにどこか遠くを見ながら、嬉しそうに説明していた。(亡きご主人がここの生徒だったんだろうか?若い日の恋人がここの学生だったら、ロマンチックでいいな)
教室の内部は、それはもう古くて、机に書いてあるところがないぐらい落書きや傷がつけてあった。どこも手入れが行き届いた感じで、綺麗だった。

おもしろかったのは、この学校の学生の生活を紹介する博物館かな。蝋人形で、部屋の内部を再現してくれていて、上級生らしき人が椅子にふんぞり返って友人と話をしていて、その横でファグと呼ばれる下級生が暖炉でパンを焼いているという力関係の陰湿さがうまく表現されているgoodな展示物などが置いてあった。
それから学校紹介のビデオを見せてくれたが、このビデオがイートニアンのスクールライフ満喫で魅惑的で非常におもしろかった。マラソン大会でハァハァいいながら走っている場面にはじまり、勉強しているところ、クリケットしているところ、ボートをこいでいるところ、楽器の演奏をしているところ、コンバットスーツで大砲を担いでいるところ、寮で談笑しているところ、料理をしているシーンなどなど、生のイートニアンのスクールライフが若干やらせ臭く、ジャニーズのプロモーションdvd顔負けに製作されていて、このビデオ本気で欲しいと思った。
土産物売り場で売ってないかなと探したけれど、なかった。私欲しいので、お金払いますから、これ販売してくださいと、よっぽど言ってやろうかと思ったけど、英語なんていっていいかわからなかったので、やめた。私も駅前留学しようかな。

さて、夏休みということで、生徒はいないのだけど、でもいくら休みでも、寮があるんだから、まだ7月のはじめだし、残っている人もいるんじゃないかなと、裏庭を探検することにした。すると、予想通りいたよ、いた!

イートニアンがいた!

白いネクタイに燕尾服の、あの制服姿のテニスンあたりの詩を暗誦しそうな青年がいたよ。
(※テニスン・・・イートン校出身のビクトリア時代の詩人)

うぁあ、絵になるぅ。風景に溶け込んで、歩いているだけでさまになる。
7月だというのに、噂どおり燕尾服をきっちり着ていたよ。
それからポルシェに乗った女性(保護者?)に連れられた少年もいた。私が校舎の入り口のところで、この中入れないのかなぁと覗き込んでいたら、その女性はフレンドリーに話しかけてくれた。まあまあどうしましょう。「ポルシェもいいですが、トヨタ車もいいですよ」って薦めてみようかしら?と馬鹿なことを考えたりしてみた。そんな、おせちもいいけどカレーもね、じゃないんだから。

そのあと、高級車が止まった裏庭を通り抜けて芝生に出たり、道を挟んた校舎なども探検したが、どっからどこまでが学校の敷地かわからないくらい広かった。イートンではトヨタ車は支持されていないらしく見かけなかった。今度話かけられたら、やっぱりトヨタ車を薦めてみようと思った(嘘)

見学者が進入を許可されているのは、ごく一部なので、まだ、この先にはいろんな施設があるんだろうなと思うが、私には帰りのバスの時間という敵があるため、ここを後にしなければならない時間になった。前日に同時多発テロがあったため、遅くならないうちに帰らなねばならない。次にくるときは、生徒が活動中の学期中に来たいな。

ここの卒業生が将来イギリスを牽引し、平和な世界を作ってくれますように。

そしてトヨタは学校作る前に、私が乗りたいと思うような車を作るように。




(2005年7月8日 訪問)
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