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ダメ坊ちゃん被害者救済窓口 その2
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最近ダメ坊ちゃんこと劉鳳の被害に遭った人達からの苦情が各方面から寄せられている。 この事態を重くみた連経済特別区域政府は、被害者救済と事件の全容解明にむけて、専用相談窓口を設けることを発表した。 ここで働く小林さんの協力により、我々もその1部を見てみることにしよう。 なお、プライバシー保護のため、名前は仮名である。ご了承願いたい。 それでは被害者救済相談窓口で働く小林さんの話を、その1に引き続いてきいてみよう。 |
被害者その4 山田さん(仮名) 連経済特別区動物保護団体代表 55歳 女性 |
小林 |
どうしました? |
山田 | 最初に自己紹介させて下さい。私は連経済特別区域で動物保護団体の代表をしている者です。 今日は、団体の代表できました。 |
小林 | 動物保護団体ですか。 なにかそれに関係することですね。 話を聞かせてください。 |
山田 | はい、これは団の代表できているので、私が直接の被害者というわけではありません。 動物を守るために訴えることにしました。 |
小林 | はい、それではどうぞ。 |
山田 | はい、ええと…、なんていいましたっけ?劉家の坊ちゃんは。 |
小林 | 劉鳳です。 |
山田 |
そう、その劉鳳坊ちゃんが動物を虐待しているそうじゃあありませんか。 |
小林 | 動物虐待ですか、具体的にどのような? |
山田 | 彼のもつアルター…、ええとなんていいましたっけ? |
小林 | 絶影です。 |
山田 | そうそう絶影、その絶影のことです。 |
小林 | 絶影がどうかしましたか? |
山田 | はい、劉家の方に聞いたんですけど、絶影は劉鳳坊ちゃんの愛犬だったそうじゃあないですか。 |
小林 | そうです。よくご存知で。 |
山田 | ええ、私どもは劉家とはいくらか関係ありましてね、大蓮氏も存知あげております。 劉鳳坊ちゃんとも、幼いとき何度か会ったことがございます。 とても大人しいお子さんでね、いつも一人で遊んでいましたよ。 そんな彼を不憫に思ったのかどうか知りませんが、大蓮氏は彼に犬をかわせたそうです。 |
小林 | はい、それから? |
山田 | 坊ちゃんはその犬のこと、大変可愛がっていたようですよ。 ところが、6年前の市街を襲った惨劇で、お母様とその愛犬を亡くされて…。本当にお気の毒なことでした。 聞けば今、坊ちゃんはホールドで戦闘要員で働いているそうじゃあありませんか。 大切な一人息子をそんなに危険なところにやるなんて、大蓮氏は何を考えているのでしょう。 しかも、アルター使わせて! あれは、もとは彼の愛犬だったのでしょう、愛犬を危険な労働で酷使させるなんて、許せないことです。 |
小林 | 動物虐待とは絶影のことでしたか。 |
山田 | はい、あの劉大蓮氏は少し動物に対する愛護の精神がたりません。 劉家の応接間を御覧になったことがありますか? |
小林 | いいえ。 |
山田 | では、一度御覧になるといいですよ、ひどいものですから。 トラの毛皮の置物や、鷲の剥製、ワシントン条約で保護が定められているはずのインド象の象牙、それから、近頃は珍獣として中国政府が保護をしようとしているジャイアントパンダの剥製を作るらせているということです。 |
小林 | おもしろそうですね。一度見てみたいです。 |
山田 | 大蓮氏はただちに坊ちゃんと愛犬絶影を危険な労働から、離れさすべきです。 だって、まだ彼、17歳でしょう。分別もつかない年から、あんな特殊な空間で働かされたら、自分が行っていることが理解できなくて当然です。 坊ちゃんは、自分が動物を虐待していることに気がついていないのですから。 たしかに彼の境遇もわかります。 アルター犯罪駆逐もわかります。 でも、坊ちゃんはアルター能力を無駄に派手に使いすぎていやしませんか? もっと、愛犬のことを考えて大事にあつかってやってほしいです。 坊ちゃんは、無駄な破壊活動は控えて、もう少し愛犬をいたわってやってください。 |
小林 | なるほど、貴重な意見をありがとうございます。 |
山田 | 全く、大蓮氏にも困ったものです。 |
小林 | わかりました。気をつけてお帰りください。 |
山田 |
よろしくお願いします。 |
小林 | はい、さようなら。 ええと、動物虐待か…。愛犬を危険な労働で、無駄に酷使して虐待しているというわけだな。無駄に酷使と、よしっ。それにしてもコノハナさんやたらと無駄を強調させるな、まあ、なにしろこのサイトは「無駄に研究」が信念だからな。 それでは次の方。 |
被害者その5 加藤さん(仮名) レストランマネージャー 35歳 男性 |
小林 |
お忙しい中、ようこそ。どうしました? |
加藤 | はい、私は市内のレストランマネージャーをしている者です。 私どもの店は、ロストグラウンドグルメマップでもたびたび取り上げていただきまして、三ツ星も頂戴しております。 各界の著名人の方々にも、ご利用していただいております。 今日は困ったお客様について苦情を申しあげにまいりました。 |
小林 | 困ったお客様?もしかして、それが劉鳳でしょうか? |
加藤 | はい、さようでございます。 その劉鳳様が私どもの店に先日来店していただきまして、女性同伴でこられたのはいいのですが、その女性の服装が大変真に申し訳ございませんが、当店にはそぐわなかったもので…。 |
小林 | そぐわない?ジーンズか何かでいらしたんでしょうか? |
加藤 | いえ、そういったカジュアルな服装ではございませんでしたが。 |
小林 | が? |
加藤 | はい、はっきり申し上げて、ちょっと場違いなのです。 |
小林 | (シェリス・アジャーニのことだよな) でも、私も8話は見ましたけど、そんなに変な格好していましたっけ?(桐生水守の露出の高いドレス姿には驚いたぞ 雲慶の趣味か?) |
加藤 | いえ、変というわけでもありません。大変お似合いでしたけど、私どもの店にあのような、アニメキャラクターのコスプレまがいの格好の中学生を連れてこられましても…ほかのお客様のご迷惑になりますもので。 |
小林 | アニメキャラのコスプレ中学生ですか。 (言われてみれば、そう見えなくもないな) 確かに、高級レストランに同伴するには少し場違いかもしれないですね。 |
加藤 | はい、当店ではジャケットを着用していないお客様、半ズボンのお客様、サンダル履きのお客様、お子様同伴のお客様のご入店はお断りしております。 ですから、お断り申し上げようかと思いましたが、本人たちは全然気にしていないようで、店内に勝手に入り、こちらが案内する席には座らないで、ほかのお客様のご予約用の席に座ってしまって…。 |
小林 | いやな客ですね。 |
加藤 | それで、注文に伺いましても、ご同伴の方がコーヒー一杯飲まれただけで、劉鳳様は何も注文しないのです。 |
小林 | ほう、高級レストランでなにも注文しないのですか。勇気ありますね。 |
加藤 | はい、水だけで、1時間30分ほど粘っていかれました。 |
小林 | 水だけで一時間半! |
加藤 | はい、水だけです。 |
小林 | なかなか、普通の人にはできませんね。 |
加藤 | ええ、何度がご注文に伺ったのですが、窓のほうばかりを見ていて、全然こちらの話が聞こえていないようでした。 それで窓辺の席のお客様が立つと、いきなり立ちあがって、物凄い勢いで後を追いかけていくのでございます。 で、そのお客様が、…ええ、女性の方でしたが、劉鳳様に気づかれまして、劉鳳様の席分のお勘定も払ってくださいました。 |
小林 | 他の席のお客に自分達の分を、払ってもらったのですか! |
加藤 | はい、領収書をもって行かれました。 浮いておられたお客様でした。 |
小林 | そうですか、わかりました。どうもありがとうございます。 |
加藤 | はい、それでは。 |
小林 | これは何て書けばいいんだろ、犯罪ではないが、店の人にしてみれば、迷惑だよな。マネージャーにしてみたら、頭の痛い問題だ。迷惑行為と。 はい、それでは次の人。 |
被害者その6 山本さん(仮名) 農業従事者 55歳 女性 |
小林 |
お待たせしちゃってすみません。 なかなか、被害者の方が多くて。 |
山本 | まあ、そんなにいるんですか。 |
小林 | そうですね。少なくはありません。 |
山本 | やっぱり。 |
小林 | やっぱりって、ずいぶんないいかたですね。 |
山本 | ええ、私には最初からわかっていましたよ。あの子は疫病神です。 虫も殺せそうもない可愛い顔して疫病神なんですよ。 |
小林 | (虫も殺さないって、毒虫はしょっちゅう殺して・・・いやそこまではいかないにしろ、半殺しにはしているな。) |
山本 | あの…どうかしましたか? |
小林 | いえ、何でもありません。それよりどういうことです? あ、その前に自己紹介を。 |
山本 | はい、わたしは農業労働者の山本といいます。 再隆起したあたりの町に暮らしています。 |
小林 | わたしはダメ坊ちゃん被害者相談窓口の小林です。 壁の向こうからわざわざありがとうございます。よく市街に入れましたね。 |
山本 | ええ、被害者相談窓口に行きたいっといったら、特別に入国を許可してくれました。嬉しいです。 こんな機会もう二度とないと思うんで、ついでにいろいろ市内見物をして行きたいと思います。 |
小林 | そうですか。よかったですね。 |
山本 | よくありませんよっ! まったく、あの疫病神のおかげで、あたしらの町は大損害を被りましたよ。 |
小林 | それではあなたは、劉鳳が世話になっていた町のかたですね。 |
山本 | そうですよ。あたしらはみんな騙されていたんですよ。あの虫も殺さないような顔に。 すごく優しげでね。子供達の面倒もみるし、作業もしっかりやるし、みんなに気に入られていたんですよ。 |
小林 | はい。 |
山本 | ところが、何日かたって昔の仲間が来たころから、急に凶悪な顔つきになって。 いえ、私はアルター使いってわかったから、そういっているんじゃありません。 アルターあるなしは関係ありません。 もう、別人なんですよ。顔が!しゃべり方から、態度から何まで。 同一人物だなんて思えませんよ。あれは。 |
小林 | まあ、記憶を失っていたわけですし。 |
山本 | だからったって、最初は水一杯もらっただけで、あんなに感謝していたのに、記憶が戻ったとたん、私達が気の毒に思って恵んでやったパンを床に平気で落っことすんですよ。 おまけに昔の仲間次々に連れ込んじゃって、食いぶちふえてしまって、しょうがありませんよ。 かなみちゃんのお気に入りだから、何にもいわないで、彼女が食べ物持ち出すの黙って見逃してやったけど、あんなに次々食べ盛りの子供連れてこられても困りますね。 |
小林 | (怪我人とか、町を破壊されたことに対する苦情じゃあないみたいだな) |
山本 | つれの子の洋服だって、ホーリーの制服じゃあ、目だってここにいづらいだろうと思って、可哀想に思って私のを貸してやったんだけど。 |
小林 | えっ、シェリス・アジャーニが着ていた洋服、おばさんのだったんですか!! |
山本 | そうよ。 |
小林 | うそ…。 |
山本 | うそじゃないわよ、あれ、あたしのTシャツと短パンよ。 |
小林 | そんな・・・、シェリスのイメージが…。 |
山本 | 毛布だって、そう余分はないんだけど、都合つけて貸してやったのに、みんなに1枚ゆきわたらないと困るって。 贅沢言うんじゃないのっ! あんた、その連れの子といっしょに使えばいいでしょっ! どうせそうするんだから。全く最近の子はこれだから。 |
小林 | (つれの子って誰をさすんだろ?シェリス・アジャーニだよな。 インナー的には劉鳳×シェリスなわけか。メモしておこう。) |
山本 | でもって、いつの間にかみんなでいなくなっちゃうし。後からきた後輩の子がなんか一生懸命、使った見張り小屋掃除していったわよ。 |
小林 | そうですか。 (これは橘あすかだな) |
山本 | その子が毛布帰しにきて、いろいろお世話になりましたって。ご迷惑おかけしましたって。 その子はすごく感じがいい子だったわよ。 ところが、帰るときこんなこと言ったのよ。 僕こういうものですけど、用件があるときはうちの会社を使ってくださいって。名刺おいていくのよ名刺を! ころんでもただで起きないっていうかなんというか。 まったくそれがなきゃ、いい子だったんだけどね。 |
小林 | はあ。 (結構商魂たくましいぞ、橘あすか。) |
山本 | あの疫病神がきたおかげでえらい迷惑しちゃったわ。 |
小林 | でも、おかげで市街に入れてよかったじゃないですか。 |
山本 | まあ、それは言えるわね。ほほほほっ。 |
小林 | じゃあ、市街見物楽しんでらしてください。 |
山本 | もちろんだわよ。 |
小林 | ふー。さて、これはなんて書こう、難しいな。礼儀知らずのただ飯食いの居候とでも書こうか。 はい、お待たせしました。次の人 |
と被害者の対応に追われる忙しい小林さんだった。ご協力ありがとう。 |
小林さん、ご苦労様です。ダメだダメだ言いつつも、そんな劉鳳が私は好きです。 みなさんも応援してあげてください。 |