変態仮面


ガンダムSEED関連用語
 ●クワトロ大尉
『機動戦士Zガンダム』に登場。クワトロ・バジーナ。27歳。エゥーゴの中核として活動、MSを駆って出撃する行動隊長的役割を持つ。本名キャスバル・レム・ダイクン。
なお彼は『機動戦士ガンダム』にも登場しているが、どんな役を演じているかは各自で確認のこと。


SEEDの世界の時間と距離の概念が歪んでるのは、なにも今更騒ぎ立てることでもなく、クルーゼ隊長の乗ったヴェサリウスがアークエンジェル航路とプラントやら後続艦との間を、物凄い勢いで行ったり来たりしてる段階で気づくことである。ナスカ級の足の速さはちと異常じゃないかと思う。
そんなことより気になるのは、不自然なまでに綺麗にベットメイクされていたアスランの部屋のベットとか、ディアッカさんが紐でくくられていたAA医務室のベットということではなく、クルーゼ隊長の動向である。

クルーゼ隊長こと、ラウ・ル・クルーゼ。
ようやく今週から動き出したクルーゼ隊長だが、彼には『エンデュミオンの鷹』や『砂漠の虎』のようなキャッチフレーズはないのだろうか。この人物こそ、こういった渾名が似合うと思うのだが。
彼にも『赤い彗星のシャア』といった洒落たキャッチフレーズがほしいところだ。
しかしながら残念なことに、ラウ・ル・クルーゼには作中渾名らしきものは登場しない。
変わりに頻繁使われるのが『変態仮面』という呼び名である。
変態仮面。
いくらなんでもあんまりな呼び名だ。
なのでこれに代わる正式な名称をオフィシャルでつけていただきたいと思うのだが、これ以上この人を呼称するにぴったりの名前はちょっと思い浮かばないのもまた事実である。
ちょうどアスランが『大佐』以外の何者でもないと同様に、ラウ・ル・クルーゼも『変態仮面』以外の何者でもないような気がする。
落ち着いて振りかえると別段この人が変態行為を行ったというわけでもないのに、何故かこの人物を見ていると変態という言葉が自然浮かんでしまうのである。
アスランの場合はやっていることが少しばかり変質ぎみといった印象を与えるのだが、(いや正しくはやっていることが変質的なのではなく、アスランがやると変質的に見えるだけだろう)仮面は存在そのものが変態臭い。
だから変態仮面でいいや。

しかし、わたくしがいいと思っても、ザフトの人達はどう思っているのだろう?
わたくしはテレビの前で座っているかやの外に人間なので、彼が変態仮面であっても実生活に被害は及ばない。だからいい。しかし同じ職場で働いている人にとっては、これは直接関与してくる問題ではないだろうか。
始終仮面をつけた人物とともに働くのってどうだろう?
ちょうど仮面をつけた覆面議員の騒動があったが、あれを見てると仮面をつけている人物が議会の品位を損ない、本人かどうかの確認も出来ず、発言している際の表情が解り難い等々、まわりの議員をはじめ多くの人から問題視されることは明らかである。
わたくしだって自動車教習所にいったら、自分の担当教員が仮面をつけた先生だったら嫌だ、そんなのすぐに変えてもらうし、職場にいったら今年の新規採用は仮面をつけていますといわれたら、そんな人といっしょに働けないと思う。
だからザフトの人も口には出さないものの、あの仮面にはみなそれなりに警戒心を抱いているのではないだろうか。
というかそもそも仮面をつけた人が軍に入隊出来るのだろうか?
常識的に考えたら願書についた証明写真の段階ではねられると思うのだが。
その辺のところはどうなっているのだろう?

そこでわたくしは自衛官募集窓口に尋ねてみることにした。
すると「上半身正面脱帽」の写真が願書提出の際、必要であることが判明した。
上半身正面脱帽。帽子が駄目だというのだから仮面はむろん駄目であろう。
願書の段階で落とされることはこれにより明らか。やはり覆面軍人は認められないようだ。
もしかしたら、帽子は不可でも仮面は可という規則があるかもしれないので、よっぽど自衛隊東京地方連絡HPに記載されているお問い合わせ先に直接電話して「仮面つけたままで入隊できますか?」と訊いやろうかと思ったが、そんなことをして、ある日自衛隊のHPを除いたら、「装身具の規定:仮面着用不可」なんて項目が付け加えられていたら困るので、今回は大人しく引き下がることにした。
覆面人物の入隊を許可するザフトの人事は太っ腹だなぁ。
他の職員から苦情がよせられないのか心配になる。でもきっとみんな言いたくても我慢してるんだろうな。社会ってそういうところだし。

にしても能面並みに視界が狭そうな面をつけて、あそこまで典雅に立ち回りが出来る変態仮面様は、桧舞台に立たせたら中々舞がお上手ではないかと思う。
案外、彼の趣味はお能かもしれない。ナスカ級の自室のロッカーには、たくさんの能面がしまわれていることだろう。

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03/05/31