着床前診断 


ガンダムSEED 参照記事
 着床前診断を近く申請 国内初実施の可能性

体外受精した受精卵を子宮に戻す前に、遺伝子性疾患の有無を調べる『着床前診断』の実施を目指す名古屋市立大医学部産婦人科の鈴森教授は、9月8日申請書を提出するため日本産科婦人科学会倫理委員会に出席した。書類に不備があったためこの日の提出は見送り、近くあらためて提出することになった。
同学会は着床前診断について認可を得るよう会告(指針)で規定。過去2件の申請は症例手法が適切でないとの理由でいずれも認められなかった。鈴森教授らは病気の原因遺伝子を判定するなど初の本格的診断を目指しており、認可されると国内初のケースをなる。
着床前診断は、イギリスで1989年に初めて実施されて以来、欧米などで実施されている。
着床前診断をすれば、診断対象とした遺伝子疾患の恐れがない子を出産できる。一方で「生まれてくる子の選別」「障害者の生存権を脅かす」といった生命倫理をめぐる議論もあり、審議の行方が注目される。
名古屋市立大が申請する対象疾患は、筋力が低下し、歩行困難などの障害が起きる遺伝性の筋ジストロフィー。夫が同病を発症した30代夫婦の体外受精卵を調べる。夫婦はかつて「出生前診断」の結果をもとに中絶している。
夫の精子と妻の卵子を体外受精した受精卵を母親の子宮に戻す前に、細胞分裂した段階で、1-2個細胞を取り出し、米国の専門施設で筋ジストロフィーを発症する遺伝子レベルの変化を調べる。

今週柳橋はまたキラ・ヤマトについてゴリゴリ書くだろう思わせておいて、おもいっきり予想を裏切って、本日のコラムは時事問題です。
体外受精と遺伝子に関するニュースがあったのでちょっと紹介。
受精卵の段階で遺伝子を調べる診断法---『着床前診断』が日本でも認可されそうな動きがあります。
これにより、遺伝性疾患のため妊娠をあきらめていた夫婦が妊娠に臨めるようになったり、遺伝子疾患の恐れのない子を出産できるようになったりするそうです。
その一方で障害者の生存権が脅かされる、生まれようとする生命に○×をつけようするといった優性思想を危惧する声もあがっています。
フレイはコーディネイターのことを病気でもないのに遺伝子いじって気持ち悪いと言っていたけれど、だったら逆に病気だったら遺伝子をいじってもいいのか?という問題です。

病気だったら、遺伝子いじくっていいのか?
遺伝性疾患なら遺伝子いじくってもいいのか?
遺伝病を持つ子供の生まれるのを防ぐためなら、受精卵を人為的に選別していいのか?
障害のない五体満足な子を生むために、受精卵を選別していいのか?
障害者は生まれてきてはいけない存在なのか?
それって、子供を容姿や知能で選ぶデザイナーベビーにつがる恐れはないだろうか?
優性思想(遺伝子を人為的に選ぶことにより人類を進歩させようという思想)につながりやしないだろうか?

興味を持った人は各自で調べてみましょう。(不親切)
生殖医療の分野は体外受精させた受精卵の遺伝子レベルにまでに発達しており、人類は『生命』の問題に直面しているというお話でした。

【補足】
着床前診断
着床前診断には、体外受精によって得られた受精卵(胚)の一部を用いて、遺伝病や染色体異常などを着床前に診断する受精卵診断のほか、卵子診断(極体診断)精子診断がある。
受精卵診断では4〜8細胞胚を顕微鏡下で1〜2個の細胞を生検する。生殖補助医療の進歩に伴う、胚の取り扱いに関する生物学的研究の発展と遺伝子診断を可能にした分子生物学の進歩を背景として確立した出生前診断法の一つである。(中略)
欧米では2001年までに受精卵診断後の出産例が700人近く報告された。日本国内では未実施であるが、子どもの遺伝性のがんを避けるため、アメリカで着床前診断を受けて出産した日本人がいたことが02年に報道された。従来の出生前診断により異常と判断されて人工妊娠中絶を繰り返すより、また流産や死産を繰り返しやすい染色体異常等を早期に発見することは母体にとってはるかに安全であり、そして、遺伝病のために妊娠をあきられていた夫婦が安心して妊娠出来る。
しかし、約3分の1の受精卵では細胞の一部が異なる遺伝情報をもっている場合があり、診断結果の信頼性に問題が残られている。
日本産科婦人科学会は、1998年6月、着床前診断を「夫婦の強い希望がある場合のみ、十分な知識と経験のある医師・医療機関が学会の許可を得た上で重篤な遺伝性疾患に限り行う」とした。

出生前診断
出生前の胎児や胚芽などの病気(染色体異常、遺伝病、形態異常など)の有無や程度、性別などを診断すること。ほとんど副作用がない一般的な超音波検査のほか、羊水穿刺などは、必要な時に妊婦(高年妊婦の染色体検査など)の希望により行われる。より専門的である、妊娠8から11週に検査可能な絨毛診断(絨毛採取、主として遺伝病のDVA解析)、暫定的な診断情報を提供する胎児血採取、胎児皮膚生検などは、技術が必要なため、大学病院などの一部の病院で実施される。さらに近年の診断技術の進歩により、血液検査だけで胎児の異常の確率がわかる母体血清マーカー検査が行われる場合がある。(以上集英社imidasより)


来週のこの時間はアズラエル理事の「あなたのブルーコスモス度チェック!」をお送りします。お楽しみに

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03/09/10 webmaster:riyo