PHASE-35


ガンダムSEED STORY
 ● PHASE-35 舞い降りる剣
脚本=吉野弘幸 両澤千晶 演出=谷田部勝義 絵コンテ=谷田部勝義、山口晋 作画監督=大貫健一 植田洋一

35話ストーリーダイジェスト    ※34話からの続きです。先に■34話をどうぞ。

月と地球の距離は38万km、現実世界のロケットが38800km/hの速度で約5日かかる距離です。
ラグランジュポイントは月と地球と正三角形を描く地点が最も安定するので、おそらくプラントもこの位置に建設されていることが予想されます。
つまり地球とプラントの距離も38万kmなわけです。
キラ・ヤマトはアークエンジェルが32話の行程をかけて移動したこの38万kmの距離を、AパートとBパートを少々使っただけで到着してしまいました。
流石は風見ハヤトの遺伝子を継いでいるだけのことはあります。スーパーラップ誕生です。

しかし、無敵超人キラと違い、SEEDを持たない普通のコーディネイターはそうはいきません。
作戦決行直前に目的地がパナマからアラスカに変更になったから大変です。
なんせパナマ・アラスカ間は6000km以上。時速1000kmのスピードで飛んでも6時間はかかるという北アメリカ大陸の端と端です。
この突然の知らせに、どうやったら潜水艦で6000kmも離れた場所を瞬時に移動出来るんだよ!と潜水艦部隊からはブーイングの嵐が巻き起こりました。
バグゥ部隊からは、せっかく熱帯雨林気候に合わせた機体をツンドラ気候仕上げに設定し直おさなきゃいけないのかよ!と怒りの声があがります。
ディン部隊のみなさんは、パナマ上空の天候を朝から念入りにチェックしていたのに!と非難の総攻撃です。
衛星軌道上の部隊では、今から大気圏突入角度を変更かよ、無茶だっつーの!とパニック状態でした。
こうして航空部隊、バクゥ部隊、潜水艦部隊、いたるところで兵士達がぶつくさ言って最終調整に追われている中、我らがオカッパだけは違いました。
彼は事前に調節するような女々しいことなんてしません。

ぶっつけ本番です。

そのころ、すでに完全に脚本空間から締め出されてしまいったディアッカさんは、外で何がおこっているのかも知らされず、あいかわらずエロ本を読みながら独房の中で一人少佐が来るのを待っておりました。
あーあの兄ちゃん新しいエロ本持ってきてくれないかなぁ。
一方少佐のほうも捕虜に貸したエロ本返してもらうために、AAへの道を急いでいました。
しかし、その道中、変態仮面様に遭遇したり、モニターに移った CYCROPS SYSTEMの綴りはCYCLOPSの誤りじゃないのか?と司令室に置き忘れられた研究社の英和中辞典を引いて調べていたりで、すっかりと遅くなってしまい、AAに到着したころには捕虜のことなど、完璧に忘れてしまっていました。
そういやスカグラのモニターにも綴りの間違いあったよなーと、マードックさんが機体の準備をしている間、三省堂のデイリーコンサイスを引く少佐が座るスカグラの後部差席には、大量のエロ本が搭載されており、それゆえ、この機体は複座式にもかかわらず一人しか搭乗出来ないというしくみになっておりました。
ヒーローは柄じゃないと言っているところ見ると、どうやら少佐は自分のことをヒーローだと思っていたようですが、その心配には及びませぬ。
この話のヒーローはキラ・ヤマト唯一人ですから。

宇宙クジラを倒すため38万kmの距離を駆けぬけてきたキラ。
キラはクライン邸での静養中に、人気同人作家ラクス嬢が前ジャンルで書いていた『るろうに剣心』本を読んだ影響で、宇宙クジラ以外の相手には不殺という道を選ぶようになりました。
しかしキラたん、不殺が出来るようになっても、ケリを入れる癖だけは直りませんでした。
なにしろキラは月の幼年学校時代には、アスランのご両親が忙しいのをいいことに、夜の10時過ぎまでアスランを格ゲーにつき合わせる格ゲーマニアです。
戦闘となると真っ先にケリ技を使うキラ。
オーブの技師エリカ・シモンズも、ストライクの戦闘データーを見た時、このパイロットが異常に足ケリを好むことに気づき、ゲームが青少年に与える影響力に危機感を感じて、留守番をしている我が子に、いい?ゲームは1日30分までよ言い渡したものです。
プラントの民を癒すラクス嬢が書いた『るろうに剣心』本のおかげでコクピット直撃を免れたオカッパも、しっかりとケリだけは入れられてしまいました。

そうしてケリを入れられ落ちていくところを黒子に拾ってもらったオカッパですが、まだ危機を脱したわけではありませんでした。巨大電子レンジのマイクロ波が襲いかかります。
あわれイザーク・ジュールもこれまでか!と思いきや、そこはデュエルの機体に電磁波を防ぐという渦巻き模様のお札を大量に貼りつけておいたおかげで命拾いしました。よかった。

一方そんな事態になっていることなど知らないアスランは、持病の睡眠時無呼吸症候群が発病し、シャトルの中でぐうぐう寝ってしまい、あやうく膝の上に置かれたニコルの大事な楽譜によだれをたらすところでした。
ご両親にお返ししなげればならない制服を体液で汚してしまった前例があるので、この上楽譜まで汚してしまっては大変、イザークから汚い汚いとなじられるとまた五月蝿いしなと、袖口でよだれをふいてニコルの楽譜は丁寧にかばんにしまい、アスランはプラントに降り立ちました。
するとそこに待ちうけていたのはユウキ隊長からの今宵の誘いではなく、婚約者ラクス・クラインスパイ関与疑惑でした。

「その手引きをしたのはラクス・クラインらしい」
「まさか…そんなラクスが…」
そんな、カーペンタリアを出発する時チェックしたラクスのサイトには「夏コミ受かりました〜♪」と夏コミ当選のお知らせが載っていたのに…夏コミに出られないのか?新刊は出ないのか?
まさか落とすのか?夏にはザフト×キラ本出すって言っていたじゃないか。ラクス!
当初は婚約者のこの不可解な趣味をいぶかしく思ったアスランも、トーン貼りを手伝わされているうちに、いつしか彼女の創作する2次著作物に心癒され、今では新刊を心待ちにするまでになっていたのでした。
まさかそんなラクスが…
ラクス!新刊はどうなるんだ!せっかく受かったのに!

はたしてラクス嬢の新刊は無事発行出来るでしょうか?

来週に続く

※このサイトは別にザフト×キラというわけではアリマセン。

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03/06/14