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これで3回目 キラ・ヤマト
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ガンダムSEED 人物ファイル |
● キラ・ヤマト [コーディネイター](16歳) ラクスの元で自らを見つめなおし、戦いを終わらせるために銃を取る。アークエンジェルクルーの元に帰って来た後、オーブでアスランと共闘、そして和解。仲間と共にこの戦いを導き平和を求める。(公式ホームページより) |
今週の特集は これで3回目 キラ・ヤマト ・関連スレ【キラ弁護スペシャル☆】グレイト・エロスマンを見守るスレ3【ラクス出撃】 【復習】
こうやって書き連ねていくと、キラは能力的には最高だが人間的には未熟という気がひしひしとしてくる。 命令無視はしょっちゅうだし、注意されれば反抗するし、第3者的立場でいるときは他人にも優しく親切だけれど、自分が当事者になると自己中心的で開き直るし、辛いことにぶつかればすぐに泣いて鬱になる。 また能力的には最高といっても、会話は下手だし語彙は極端に貧しいしコミュニケーション力は低いしで、けしてすべてにすべて秀でた万能な人間というわけではない。自分の考えを表現することは、中でも不得手と思われる。 また安全装置外し忘れたり、状況を見ずにその場の感情で動いたり、周りに流されたり、冷静さに欠くところも多々ある。今日初めてあった変な仮面をつけた男のいうことをまるごと信じてしまうあたりもキラの性格を物語っている。普通あんな怪しい仮面をつけた男が言う与太ごとなど信用などしない。横でフラガが惑わされるな惑わされるなと何度を言っているのに、キラは仲間フラガより得体の知れない仮面のほうを信用してしまうところなど、周りに流されやすい性質の表れであろう。 キラは大人しく優秀だが、注意されれば逆ギレする、他人に優しいが自分がいざ当事者なると開き直る、突出した能力を持っている一方、分野によっては平均以下のものもある。精神的には未熟だ。けして出来た人間ではない。最強のコーディネイターであっても最高の人間ではない。 大人しくて優しくて優秀、ゲームが好きでプログラムが得意、コミュニケーション下手で、逆ギレしたり引きこもりしたり、怪しげな宗教にはまってしまう…キラ・ヤマトというのはそんな16歳の少年なのだろう。 これはそのまま現代の優等生の一つの形に当てはまると思うのだが、こういった今時の子が、作中、誰からの粛清も修正も受けないで、肯定され続けるのが問題なのだろう。 ▼無力な大人達 今時の子という言葉はいい意味で使われないが、そんな未成熟な今時の子供を肯定する大人しかいないのは、ひどく不自然であり、不健全である。 こういった未熟な子供には喝を入れたり、激を飛ばしたり、慢心を諌めたり、鉄拳を下す大人がいてもよさそうだが、キラの周りにはそういった大人はいない。彼の周りにいる人はキラに甘い人ばかりである。キラを叱れずいいなりになっているラミアス、甘やかし放置するフラガ、キラに入れ込み調子のいいことだけを言うバルトフェルド。傍観しているだけのキサカ。精神的交流のないブリッチクルー。紙人形同然の背景クルー。 キラは命令違反しても厳罰を与えられたりしない。上官に口答えしたり、目上の人に生意気な態度をとっても殴られたりしない。人として恥ずかしいこともしても、制裁を受けることがない。 叱られてしかるべきところで叱られることがない。 修正も独房入りもなく親からは逃げ、泣き落としで女寝取ってもお咎めなし。 問題なのはキラ自身よりも、キラの周りにいる人達のほうではないか? いい大人がそろいもそろって、つたない子供を叱ることをせず、指導することもせず、甘やかし、あるいは放置する…今時の子を肯定する大人しかいない世界は異常にうつる。 ▼幼い大人達 マリュー・ラミアスは初登場時にぺリオポリスの学生に「黙りなさい。何も知らない子供が」といきりたつっていたが、その言葉通り、キラは何も知らない子供なので、コロニーの中でアグニをぶっ放すわ、戦闘中に避難民はひろってくるわ、拾ってきたかと思ったら今度は独断で逃がすわと、艦長を悩ます問題を次々とおこす。 この民間人の学生は優秀だけれど、軍の規範も戦争も何も知らない子供であることが、最重要機密兵器に乗せてすぐに証明されるわけである。 ラミアスは何もしらない子供がと叫びながら、一方で何も知らない子供に軍の最重要機密兵器に乗るよう要求する。そして何もしらない子供が撃ったアグニでヘリオポリス崩壊を招いた後も、なおも乗ることを要求し続ける。 子供に最重要機密兵器預けたマリュー・ラミアスには、その瞬間からそれを管理する義務が生ずると思うのだが、この非人情派はその職務を全くはたしていない。 キラを戦争に巻き込んでしまったことに引け目を感じて、キラに守ってもらっていることに負い目を感じて、厳しいことが言えず、最初に中立国の民間人学生を拘束したときとは別人のように甘ったるい人物に成り下がってしまう。 危険な兵器を子供の手に委ねておきながら、管理することを怠るラミアスは、問題を起こされても処罰を与える様子もしない。そして無能の限りをつくしてキラのいいなりになっていく。キラを戦力としてあてにするのなら、それこそパイロットとして指導育成していく必要があると思うのだけれど。 (いや正確には、管理できなかったのであろう。彼女はけしてこのままで正しいと思っているのではなく、今のままじゃあマズイ、なんとかしなきゃいけないとわかっていて、それが出来ないでいるのだから。それゆえ無能なのだろうけど。余談になるけれど、この人は汚れ役かって出た部下を頭ごなしに怒鳴ったり、目の前で父をなくした子の前で笑いながら両親面会の話をしたり、人としてどうかというところが目立つ) この話に出てくる大人は大人としての役割をはたしていない。それゆえ幼い印象を与える。ちょうど今時の大人が大人と呼べないくらい幼いように。 キラは良い大人に恵まれなかった。 ▼画一的な友人達 キラの周りにいる同年代の仲間も画一的で幅のない一様な優しさの持ち主ばかりだ。つたなくいたらないキラには、皮肉をいう外野や、ちょっと待てと異論を唱える仲間や、ムカツクと理屈抜きで衝突してくる輩がいたほうが自然に思えるが、そんな人達は登場しない。まだカズィがいた時分はよかった。キラを過信しすぎなかったから。でもそのカズィも退場してしまった。サイはとっくに背景になってしまった。もう一人の主人公はキラに追随する脇役友人の一人になってしまった。もう主人公の出した答えに意見するものがいなくなってしまった。同じような優しさばかりでバラエティに乏しく青春群像劇には程遠い仲間達。議論することもなければ、話し合いをすることもなく、体をぶつけ合うこともない友人。それがキラの友人だ。 ▼歪んだパワーバランス キラの泣きが鬱陶しがられるのは、他人のために流す涙ではなく、自分の為に泣いているよう演出上見えるためだろう。コーディネイターの僕って不幸、人工子宮で生まれた自分って不幸、女助けられなかった自分って不幸、自分はカワイソウという感じに見えてしまう。問いかけするだけで自分の考えを答えることなく、はぐらかしたままなのもいい印象を与えない。本来ならもっと同情してもいいのだろうけど、素直にそういう気持ちで見れないのは演出脚本の不味さゆえか。 つたないにもかかわらず、大人からは甘やかされ、友人からは優しく迎えいられ、肯定されて続けていくキラ。電池で動くガンダムという新機軸を捨て、主役機のみが核動力、無補給時間制限なしでオプション完備。ピンチになればリスクなしの種がはじけてパワー無限大。おまけに瞬間移動も可能でもう一人のSEED保持者も味方に迎える。力ばかりが不均衡に肥大化する主人公。 キラの場合は意図的に嫌われキャラ、サイテーな奴にしているのではなく、作っている側が大真面目にキラきゅんがんばっているのv キラきゅんカッコイイv と思っているっぽいところが、見ている側としては、作り手との温度差が激しすぎて耐えられないのかもしれない。 |
愚かな争いを繰り返し、兵器に神の意思を語る奢り高ぶった人間ども。愚者どもばかりの人間に宇宙クジラはお怒りになった!宇宙クジラの怒りにふれた人類は因縁果報に吹き飛ばされてしまうのか?すべてのものは滅びの時を迎えるのか?エピデンスのパワーが今、発動!終局の時が到来する。 フクダが放つ衝撃の問題作、来週のこの時間は伝説巨神『エピデンス01』をお送りします。お楽しみに。 |
03/09/21