45話


ガンダムSEED STORY
 ● PHASE-45 開く扉
脚本=両澤千晶 演出=西山明樹彦 絵コンテ=西澤晋 作画監督=大貫健一、植田洋一

45話ストーリーダイジェスト この話は>>34話 35話 36話からの連載になります。順番にどうぞ

福田夫妻が夏コミに行くため、製作中断でお休みだった先週の放送。
しかし、局地も局地のメンデル周辺で戦闘に明け暮れるラクス嬢には、夏コミに行っている暇も、新刊を作っているゆとりもありませんでした。
せっかく当選したのに落としてしまった新刊ザフト×キラ本。
落選したサークルや新刊を待っていた方には申し訳ないと思うものの、同人女ラクス嬢には、本を落としても戦わなければならないものがありました。
彼女が戦わなければならないもの・・・そう、それは宇宙クジラ。
木星圏に棲息するといわれる謎の地球外生命体。
この争いを引き起こした根っことなるもの。
プラントと地球、ナチュラルとコーディネイター双方の共存と分け隔てない平和を真に願うラクス嬢は、この宇宙クジラと戦うために、起動戦艦エターナルで出陣したのでありました。
彼女のもとには志を同じとし、共に戦う仲間が大勢集結しておりました。
自室のマントルピースに宇宙クジラのミニュチュアレリーフを掲げ、長い間宇宙クジラ討伐の戦士を探してきた虎もそのうちの一人でした。
どうやって戦争を終わりにしたらよいかという物語の命題を主人公に投げかけたこの人物もまた、宇宙クジラと戦うためにエターナルに乗りこんだのでありました。
一度は探し当てた戦士を覚醒させるため、特攻の道を選んだものの、生体ボンジャンプ発動により奇跡的に一命を取りとめた虎。自分だけが生き残って愛するアイシャを死させてしまった虎は、生き恥さらしてでも宇宙クジラを倒さねばなりませんでした。

キラはプラントでの静養中に、ラクス嬢が前ジャンルで書いていた『るろうに剣心』本を読んだ影響で不殺を貫くようになりましたが、虎もキラ同様に負傷した傷の治療中にラクスの本を読み、その影響を受けるのでした。
ナチュ・コーディの垣根を越え、疲弊した人々の心に潤いと活力を与えるラクス嬢の本。
治療中に幾度となくラクス嬢の『るろ剣』本を読んだ虎は、回復するころにはすっかり左頬に十字の傷を持ち不殺を貫く緋村剣心(るろ剣の主人公)のファンになってしまい、それゆえ、消そうと思えば消すことの出来る自らの左頬におった十字の傷もあえて残しておくことを選択したのでした。

また虎は砂漠でキラを見た時ときから、キラたんの戦闘を視察するため部下に突撃させたり、キラたんとの一騎打ちに夢中になって退去命令出すの忘れたり、キラたんといっしょにオープンカフェでお茶したり、キラたんをお家に招待してコーヒーを振る舞ったり、しまいにゃキラたんになら殺されてもいい!と愛人巻き添えにして特攻してしちゃうほどのキラ馬鹿でした。
なので、搭載機も直援もなしでエターナル発進させるというヘボ指揮官ぶりを披露したところに、大プッシュしているキラたんがカッコ良く不殺で助けに現れたのですから、もう大変!「少年、助かったぞ」とキラたんにメロメロで、ますますキラ贔屓が止まりません。こうしてまた一人キラに取りこまれていくのでした。
バルトフェルドの指揮は、変態仮面の言葉にもありましたが、口先だけ調子の好いことを言って、肝心なところが抜けているし、幼児性を残したこだわりだけは強くて、いい年した大人には見えないなぁ、などと言ったら言いすぎでしょうか。
手塚部長のほうがよっぽど大人だよ☆グランド50周。

そのころイザークはディアッカと対面しておりました。
何時そうなったかよくわからん間に軍の命令で戦うことに懐疑的になっていたディアッカ。
「騙されているんだ、お前は」
イザークにしてみたら、馬が合うと思っていたディアッカは敵に馴染んじゃっているし、隠れファンだったラクス・クラインは裏切りの首謀者だったし、長きに渡る反目の末理解し合えたアスランは敵と通じていたし、その相手は自分が宿敵だと(一方的に)思っていたストライクのパイロットだったし、友軍だったバルトフェルド隊長も離反するし、尊敬していた変態仮面隊長は本当に変態だったしで、自分の解り知れぬところで物事が流転していて、ショックのほどはいかばかりでしょう。

さらにもう一つイザークにとって大変ショッキングな事実を知らさらせるのでした。
「お前が13話で狙撃したシャトル、あれは民間人が乗っていたものだったんだ 」
「 何?! あれは逃げ出した腰抜け兵が乗っていたんじゃなかったのか!?」
「 違う、あれには避難民が乗っていたんだ。キラの――ストライクのパイロットの知ってる奴も乗っていたらしい。」
「民間人の避難民だと…ストライクのパイロットの知人も乗っていたっていうのか…」
「そうだ」
知らなかったこととはいえ、シャトルを誤爆してしまったという厳しい事実にイザークは直面して動揺します。
「動かない的を撃って喜んでいたのは俺だったのか…くそぉぉ!」
でも大丈夫!優しいキラたんならきっと許してくれますよ。
みんなそんなにイザークを責めないでよ。イザークは知らなかったんだし。民間人を殺したかったわけでもない。僕も3話でジン殺しちゃったけど、僕は彼を知らないし、殺したかったわけでもない。
だからおあいこだよね。戦争だから仕方ないよね。

ってね!

一方説明大好きクルーゼ隊長はキラとムウさんを怪しげな研究所に挑発して誘導させるのでした。
そこで待っていたのはキラ出生の秘密でした。
このラボではヒトが宇宙生活に適応出来るよう放射能耐性をどうたらこうたらするために、ヒトに地球外生命体の遺伝子を組み込む実験が行なわれていたのでした。そして自分はヒビキ博士が開発した人工子宮を利用して生まれたその唯一の成功体だというのです。
さらに、その地球外生命体とは、なんということでしょうあの宇宙クジラだというのです。
自分は宇宙クジラのDNAを継ぐもの…
僕のお父さんは宇宙クジラだった!
おお何という運命のいたずら。何という不幸。これまで何と戦うか迷い悩み続け、ようやくその答えを見出だしたと思ったら、あろうことか自分自身がその宇宙クジラだったというのです。
ヒトは木星圏で宇宙クジラを拾ったの、そしてそれから最高のコーディネイターを作ろうとしたの、それがキラ。
この衝撃の事実の前にキラたんはただ狼狽するばかりでした。
こうして研究所内で人々の思索が渦巻く中、大切な核を搭載したフリーダムは無防備にも研究所の前に置きっぱなしにされるのでした。おいおい誰かに「あ!フリーダムが置いてある。ラッキー♪持って帰っちゃえ」ってお持ち帰りされたらどうするんだ。

そんなこんなで無能・電波・鳥頭とオールスター勢ぞろいの主人公陣営の艦は、世界情勢放置で今日も局地のメンデル周辺で死闘を繰り広げるのでした。
連合が利である数の優位を捨て、ドミニオン一隻で臨んでいる時点ですでに駄目っぽいとか、登場人物はそろいもそろって有力者の子弟達なんだから、なにも一個所に集結させなくても、各自が政治・経済・思想等それぞれの立場とやり方で戦争にアプローチさせたほうがいいんじゃないかとか、第一、局地ではりきってドミニオンやナスカ級を押えたところで、 開戦理由の経済的軋轢も解決しなければ、ナチュラルはコーディネイターを妬み、コーディネイターはナチュラルを見下すという基本的差別意識もなくならんだろなどということは気にしてはいけませんよ☆

そのころ、こうした愚者どもばかりの人間に呆れた宇宙クジラは、全人類を吹き飛ばし一掃してしまおうとお考えになるのでした。宇宙でただ一人この人類を裁く権利のある宇宙クジラが。

はたして、宇宙クジラの怒りに触れた全人類は抹消されてしまうのでしょうか?

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化石からDNAは採取出来ないと思いますが、そのへんはどっかに生きている宇宙クジラがいたことにでもして下さい。

03/08/30